諭鶴羽神社
諭鶴羽神社(ゆづるはじんじゃ)は、淡路島南部の諭鶴羽山にある神社です。
諭鶴羽山は標高608メートル、淡路島最高峰。国生み神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の二神が、鶴の羽に乗ってこの山に舞い下りたと伝えられています。
御祭神は、伊弉冊尊、速玉之男尊、事解之男尊。
標高500メートル付近に本社があり、諭鶴羽古道を上ると奥之院である篠山神社、山頂には頂上社があります。
熊野三山の元宮と伝わる神社でもあり、淡路島屈指のパワースポットでもあります。
沼島や紀伊水道を見渡せる展望所の天の浮橋遥拝所や樹齢千年と言われる親子杉など、見どころもいっぱいの神社です。
長くなるので、前編・中編・後編に分けて諭鶴羽神社を詳しくご紹介します。
★【諭鶴羽神社(ゆづるはじんじゃ)】淡路島最高峰にあるパワースポット(前編)
→ 諭鶴羽神社(中編)奥之院 篠山神社~頂上社~展望台~山ぼうしの広場
→ 諭鶴羽神社(後編)行き方(アクセス)・駐車場・穴場の絶景スポット
諭鶴羽神社の境内
本社は、諭鶴羽山の標高500メートル付近、アカガシの森の中にあります。
駐車場横の坂から階段を上がると、写真右奥から境内に入ります。
諭鶴羽神社の拝殿
階段を上がると正面が拝殿です。
過去何度か焼失しつつ承応の時代(1652~1655年)に、藩主の蜂須賀公により、本殿、拝殿、末社2社が再建されたようです。
案内によると、天正9年(1581年)には豊臣秀吉も参拝に訪れたんですって。
拝殿の前には、「淡州 元熊野宮諭鶴羽宮」と刻まれた碑があります。熊野那智大社宮司の筆によるもので、熊野の神は、この諭鶴羽山から渡ったと伝えられているそうです。
それではお詣り。拝殿に入ると、まずは目を引くのが、大きな力強い書。
「神鐘 山響」「神鶴 舞遊」と書かれていますね。すごい迫力です。
こちらの神様はお酒が大好きらしく、お酒もたくさん供えられていました。
御守りやおみくじ、御朱印、御神酒などは、こちらで買うことができます。
御守り代の料金はお賽銭箱に入れます。
ちなみに、フィギュアスケーターの羽生結弦さんが、名前が似ているここ諭鶴羽神社に2度訪れたことがあって、ファンの聖地になっているんだそう。
そういえば羽生さんに関連した絵馬もたくさん掛かっていましたね。
諭鶴羽神社について
御祭神
- 主祭神:伊弉冊尊(いざなみのみこと)
- 本社:伊弉冊尊、速玉之男尊(はやたまのおのみこと)、事解之男尊(ことさかのおのみこと)
- 頂上社:諭鶴羽大神、八天狗
- 奥ノ院(篠山神社):伊弉諾尊、伊弉冊尊、大地主尊(おおとこぬしのみこと)
- 奥宮(十二所神社):伊弉冊尊、胎蔵界大日如来、金剛界大日如来
- 摂社(厳島神社):市杵島姫命(いちきしまひめのかみ)
- 摂社(水神社):彌都波之女尊(みずはのめのかみ)
ご利益
五穀豊穣 / 産業振興 / 縁結び / 安産 / 夫婦和合 / 家内安全 / 学問 / 厄祓い / 悪縁切り、等
諭鶴羽神社の由緒
駐車場の前に、諭鶴羽神社の案内があります。
社伝によると、はるか二千年以上の昔、第九代開化天皇の御代に伊弉諾尊、伊弉冊尊の二柱の神様が鶴の羽に乗り給い、高天原に遊びたもうた。狩人、鶴の舞い遊ぶのを見て、矢を放つ。羽に矢を負った鶴は、そのまま東の方の峰に飛んでかくれた。狩人その跡を追って頂上に至るとカヤの大樹があり、その梢にかたじけなくも日光月光と示現したまい
「我は、イザナギ、イザナミである。国家安全・五穀豊穣成就を守るため、この山に留まるなり。これよりは、諭鶴羽大神(権現)と号す。」
と唱えたまうた。狩人、涙を流し前非を悔い、その罪を謝し奉り、弓矢を捨て、その地を清め大工を招き一社を建て神体を勧請し奉る。狩人、(権現の)社を受領して庄司太夫と号し、一生神に仕えたりという。(諭鶴羽山縁起より)
イザナギ・イザナミの2神が鶴の羽に乗って高天原を舞っているときに、狩人に矢で撃たれてしまいます。神様を射てしまったことを反省し、神社を建ててお仕えしたのが「諭鶴羽神社」の起こりのようです。
年間のイベント
諭鶴羽神社では年間を通してさまざまなイベントが開催されています。
- お正月行事:歳旦祭、ご来光遥拝、おもち焼き行事
- 2月行事:祈年祭『早春の諭鶴羽登山』
- 3月行事:採燈大護摩供法要(修験道神事)
- 4月行事:春例大祭(第二土曜日)
- 5月行事:「こどもの日 新緑の諭鶴羽登山」
- 6月行事:毛付け参り(田植え奉告祭:6月下旬~7月上旬)
- 7月行事:夏祭り
- 8月行事:平和祈念祭、「山の日、夏霧の諭鶴羽登山」
- 11月行事:新嘗祭、「紅葉の諭鶴羽登山」
- 12月行事:大晦日祭
聖なる霊が宿る親子杉
拝殿の斜め向かいには「親子杉(おやこすぎ)」があります。
横に建てられた石碑によると樹齢は千年。兵庫の巨樹・巨木にも選定されているそうです。
この親子杉は、根元から二股に分かれた杉の大木で、しめ縄で結ばれています。
聖なる霊の宿る親子杉には直接触ることもできます。大木からパワーをおすそ分けしていただきます。
見上げてみると、「高い!」。さすが樹齢千年。
親子杉だけでなく、周りにも高い杉がいっぱいです。
厳島神社(弁財天)
拝殿の右側には「厳島神社」が祀られています。
こちらの御祭神は、弁財天・市杵島姫命(いちきしまひめのかみ)です。
豊漁・航海安全など海の神様とされ、ご利益は交通安全、家業繁栄、安産、学芸成就など。
神樹 ゆずりは木
諭鶴羽神社の御神樹「ゆずりは木」(譲り葉)です。
新葉が成長すると、古い葉が落ちて”譲る”ことからこの名前がつき、ゆずりはが諭鶴羽山の名前の由来にもなっています。
資料館(「アカガシの森」特別展)
神仙館という資料館があり、県天然記念物「アカガシ群落」をナラ枯れから守る活動などが展示されています。
ムシによってブナ科の樹が枯死してしまうナラ枯れが全国的に問題になっているそうです。
奥宮 十二所神社
諭鶴羽古道に向かう途中に「奥宮(十二所神社)」があります。
樹々で日が遮られ、暗がりのトンネルをくぐっていくような独特な雰囲気があります。
奥宮には、伊弉冊尊、胎蔵界大日如来、金剛界大日如来がお祀りされています。
小さなお社ですが、独特な神々しい雰囲気があります。
参道には、発掘された、建武時代の町石なども並んでいます。
写真の、室町時代の天文21年(1552年)に造られたとされる多宝塔影板碑(たほうとういたび)は、市の有形文化財に指定されています。
諭鶴羽神社の御朱印
御朱印は、拝殿の中でいただくことができます。御朱印帳も売っていました。
中編では「諭鶴羽古道~山頂」からご紹介
続きは「中編」で。諭鶴羽古道を通り奥之院・頂上社へ。展望台や山ぼうしの広場にも行ってみます。