ブラタモリ淡路島
タモリさんが全国各地を”ブラブラ”歩きながら、その地域の自然や文化を解き明かすNHKの人気番組「ブラタモリ」で淡路島が登場しました。
今回のお題は「淡路島~神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!?~」
その秘密をタモリさんが2週に渡って、島の北から南まで50キロ以上をブラブラ歩いて解き明かしていきます。
- ブラタモリ#184 神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!? 前編(2021年9月25日放送)
- ブラタモリ#185 神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!? 後編(2021年10月2日放送)
タモリさんが巡ったロケ地やルートを写真とともに詳しくご紹介していきます。
今回、ブラタモリでタモリさんが巡った淡路島内のロケ地を紹介するロケーションガイドブックも発行されました。ガイドブック片手に、タモリさんの巡った場所を観光してみてはいかがですか?
番組放送内容
まずは番組放送の内容から。
#184「淡路島〜神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!?〜」
初回放送日: 2021年9月25日
神話では日本列島のなかで神が最初にうんだ島だとされている淡路島。その秘密をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす▽北から南まで50キロ以上!淡路島をめぐりつくす旅
「ブラタモリ#184」で訪れたのは兵庫県の淡路島。旅のお題「神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!?」を2週にわたって探る旅の前半▽淡路島が“はじまりの島”となったのは大和の政権にとって重要だったから!その理由を探る▽阪神・淡路大震災の経験と教訓を伝える野島断層保存館を訪ねる▽淡路島はどうできた?地形から探る▽古代、淡路の人が最先端技術をもっていた理由▽“はじまりの島”を実感できる伊弉諾神宮へ!
#185「淡路島の宝〜神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!?〜」
初回放送日: 2021年10月2日
たまねぎ・瓦~神がうんだ“はじまりの島”淡路島の魅力的な宝とは!?その秘密をタモリさんがブラブラ歩いて解き明かす▽淡路島のたまねぎはなぜあまい?秘密は地形にあり
「ブラタモリ#185」で訪れたのは兵庫県の淡路島。旅のお題「神はナゼ淡路島を“はじまりの島”にした!?」を2週にわたり解き明かす旅。後半の今回は淡路島が誇る魅力的な宝を探る▽銀色に輝く「淡路瓦」の秘密▽淡路島は湖の底だった!?瓦作りに適した粘土が取れる理由とは?▽淡路がたまねぎ作りに適した理由は神がかりともいえる大地の営みにあった▽旅の最後は日本の神話の原点・淡路島をうんだとされる「おのころ島」へ
前半のロケ地(ルート)
まずは前半のロケ地(ルート)をご紹介します。
前半は淡路島の北部、淡路市を巡ります。
道の駅あわじ
オープニングは淡路島の北部にある「道の駅あわじ」。
淡路島の北の玄関口のような場所で、世界最長の吊り橋「明石海峡大橋」のメインケーブルを固定する巨大な「アンカレイジ」の根元にある道の駅です。
放送時は「世界最長」でしたが、2022年3月、トルコのダーダネルス海峡に掛かる「チャナッカレ1915橋(チャナッカレ海峡大橋)」にその座を奪われています
日本最古の歴史書「古事記」の国生みの神話において、伊弉諾(イザナギ)と伊弉冉(イザナミ)が初めて生んだ場所と言われる淡路島。
古事記は大和政権によって編纂されたもの。淡路島が“はじまりの島”となったのは、その大和政権にとって重要だったから!その理由を探っていく旅になりそうです。
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徳島藩松帆台場跡
道の駅あわじから、県道31号を北西に少し進んだところにある「徳島藩松帆台場跡」。
この場所には、幕末時期、明石海峡を通り大阪湾に侵入してくる諸外国の船に備えて、M字型土塁の巨大要塞が築かれ、13門もの大砲が配備されていました。
タモリさんが見つけた石垣は「徳島藩松帆台場跡」の火薬庫跡でした。
この場所は、古代から海の要衝。大和政権の時代にも明石海峡は大阪湾を守るための重要な拠点でした。
この場所は私有地のため無断での立入は禁止となっているのでご注意を。「望桜 青海波」のフロントで許可を得ることで見学することができます。見学無料。
徳島藩松帆台場跡(まつほだいばあと)淡路島・岩屋で砲台跡・火薬庫を見学
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ちなみに案内人が紹介していた淡路島で見つかった恐竜の化石は「イザナギイ」
洲本市の白亜紀(約7200万年前)の地層から、歯や首などの化石が発掘されました。
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緑の道しるべ江崎公園(江崎灯台への階段)
西海岸沿いに南に進んで、続いては「緑の道しるべ江崎公園」。
江崎公園から江埼灯台まで石積みの階段が続いているのですが、ほぼ一直線だった階段の途中に大きくズレていることが分かります。
この下には阪神淡路大震災を引き起こした活断層「野島断層」が走っており、この場所でも大震災の際に1.2mも横ズレが出来ました。
断層や中央構造線は、ブラタモリではよく出てくるキーワード。今回の淡路島編でも謎を解き明かす重要なキーワードになってきます。
明石海峡を見守る歴史的灯台「江埼灯台(江崎公園)」は階段途中の野島断層も見どころ
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野島断層保存館
続いては阪神・淡路大震災の経験と教訓を伝える「野島断層保存館」を訪ねます。
震源に最も近い断層「野島断層」の一部がそのまま保存され、断層の隆起やズレをリアルに観察することができます。
また、保存館の窓から見える山の形から淡路島の成り立ちの謎を解いていきます。
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五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)
「五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)」は、約1800~1900年前の弥生時代後期に鉄器づくりを行っていたムラの跡です。
古代、淡路の人は鉄器づくりの最先端技術を持っていたことが分かっています。なぜ、この時代に淡路の人が最先端技術をもつことができたのでしょうか。
それは「淡路之海人(あま)」と言われるように、淡路の人が高い航海術を持ち、朝鮮半島から技術を伝えることができたためと考えられています。
タモリさんは竪穴遺跡の中でフイゴを使って鉄器づくりの体験をしていました。
【五斗長垣内遺跡(ごっさかいといせき)】淡路島の穴場観光スポット
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伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)
前半の最後は淡路島を代表するパワースポット「伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)」
古事記の国生み神話に登場する伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祭神とする“日本最古”の由緒ある神社です。
国生み・35柱の神々を生み出す大業を終えた伊弉諾尊が余生を過ごし、その御陵(お墓)が「伊弉諾神宮」の起源になったとされています。
「陽の道しるべ」というモニュメントがあり、各方角にある神社も書かれています。
伊弉諾神宮の真東に「伊勢神宮(内宮)」、真西に「海神神社(対馬国一宮)」、真北に「出石神社(但馬国一宮)」、真南に「諭鶴羽神社」。
夏至には「諏訪大社(信濃国一宮)」の方角から日が昇り、「出雲大社(出雲国一宮)」の方角に日が沈み、また冬至には「那智大社」の方角から日が昇り、「高千穂大社・天岩戸神社」の方角に日が沈んでいます。
伊弉諾神宮を中心に名高い神社があり、まさに“はじまりの島”を実感することができます。
最後に、タモリさんは本殿に案内されて、聖なる石を見学していました。ここは普段は立ち入ることができない貴重な場所です。
聖なる石は数十個あると聞いていたので小石をイメージしていましたが、テレビで見る石はかなり大きくてびっくりしました。
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後半のロケ地(ルート)
翌週は、前半の最終地「伊弉諾神宮」をスタート地として、淡路島南部の南あわじ市を沼島まで巡ります。
残念ながら淡路市と南あわじ市の間にある洲本市でのロケはなかったようです。
伊弉諾神宮
オープニングは、前半の最後の地「伊弉諾神宮」。
登場した大木「夫婦大楠(めおとおおくす)」は、なんと樹齢900年!
淡路人形座「人形浄瑠璃」の戎様も登場。
人形浄瑠璃は、南あわじ市の道の駅福良で公演を見ることができます。
バックヤードのツアーなども楽しく、福良方面に行ったら是非観劇してみてください。
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津井地区
続いては、淡路島を代表する淡路瓦の産地「津井地区」。
淡路瓦は、三河の三州瓦、島根の石州瓦とともに淡路瓦は日本三大瓦の一つ。
銀色に輝く淡路瓦の秘密は?その秘密は「粘土」。淡路瓦に使われる粘土は粒子が細かくなめらかで、燻瓦を作るのに最適な「神秘の土」とも言われます。
ブラタモリでは、粘土の採掘場にも訪れていましたが、粘土は300万~200万年も前の粘土層から採掘されていました。
もともと淡路島は湖の底にあり、湖の中央部分が隆起して湖底に堆積した粘土層が地表に現れてきたもの。これを利用して良質な瓦を作ることができるのです。
瓦粘土の採掘場は関係者以外立ち入り禁止です。
玉ねぎ小屋
続いては、淡路島といえば外せない「玉ねぎ」。
甘さが魅力の淡路島玉ねぎ。では、なぜ淡路島の玉ねぎは甘いのでしょうか?
淡路島が玉ねぎ栽培に向いた温暖な気候ということもありますが、その理由は「玉ねぎ小屋」にあります。
玉ねぎは掘り出して数日かわかした後、吹きさらしの玉ねぎ小屋で1ヶ月~2ヶ月吊るして乾燥させます。淡路島では年中風が吹くことから、玉ねぎがよく乾き糖度が高まるのだとか。
さらに、玉ねぎの産地である三原平野は大きな「扇状地」になっているので、水はけがよく、玉ねぎに適度なストレスを与えることで糖度が高められるようです。
沼島(ぬしま)
旅の最後は、中央構造線をはさんで淡路島の南側にある「沼島(ぬしま)」へ。
「絵島」「おのころ島神社」と並び、国生み神話の『おのころ島』の候補地。なかでも「沼島」は、神話にちなんだ場所や伝承も多く、淡路島よりも古い地層をもつことから『おのころ島』の最有力候補地とされています。
高さ30mの巨岩「上立神岩(かみたてがみいわ)」は、神話に登場する矛「天沼矛(あめのぬぼこ)」のモデルとも言われています。これを見たタモリさんは、沼島こそ『おのころ島』ではないかと考えたようです。
ブラタモリの再放送・見逃し配信
ブラタモリの淡路島編の再放送や見逃し配信がないか調べてみましたが、残念ながら現時点では見る方法はないようです。
U-NEXTやNHKオンデマンド等の有料配信でも、放送日の翌日から約2週間だけの配信で、古い過去回の放送は配信されていないようです。
NHKでの再放送は2021年4月で終了となり、現在は「ブラタモリセレクション」として、過去回で評判が良かった回が放送されています。
「ブラタモリセレクション」で、取り上げられるのを期待して待ちましょう。
ロケーションガイドブック発行
ブラタモリでタモリさんが巡った淡路島内のロケ地を紹介するガイドブック「“はじまりの島”淡路島をぶらぶら歩こう」が発行されました。(A5判 14ページ)
撮影に協力した淡路島フィルムオフィスが企画・編集・発行しており、番組で放送された内容のほか、歴史や地質、産業などの視点からいろいろなロケーションが紹介されています。
- 国生み神話~神話の時代を体感できる場所~
- 淡路島の古代~史跡や出土品から思いを馳せる~
- 淡路島と断層~淡路島の成り立ち~
- 三つの海峡と要塞~海の要衝としての淡路島~
- 淡路瓦~風土が育てた島の名産品①~
- 玉ねぎ小屋~風土が育てた島の名産品②~
1万部限定で無料配布。淡路島内の観光案内所、公民館、観光施設、宿泊施設、県市等行政機関でもらうことができます。
タモリさんの足跡をたどりつつ、淡路島の新たな魅力を発見してみませんか?